「もう会うことのない誰かにこだわっているということは、今目の前にいる人に向き合っていないということなんだ。」
2024年、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
さて、新年の抱負でもあり昨年の反省から本年のブログを開始したいと思います。
昨年の反省とは、最愛の恋人に振られたことでした。
「なんていったらいいのかな…私たち、ともだちになれない?」
それが恋人として、彼女の最後の言葉でした。
もがき続けるぼくの姿はまるで子供のように見えたそうです。
きっと頼りなく、か弱い未熟なヒトに見えたんじゃないのかなぁ。
「私と付き合ってくれたら、きっと自由でココロ豊かな未来を築けると思う。」
駅の改札口で、初めてのデートの時に彼女はプレゼンテーションしてきたのを今でも覚えています。
あまり物事に動じる人ではなく、熱のこもった話し方をしたことは後にも先にもその時しか覚えていません。
初めて会った時、彼女は目を合わせるのを避けながら、口数少なく当たり障りのない話をしていたことを覚えています。
彼女はとても柔軟な考え方をする人です。いつも現実的で、手堅く、だいたいのことは僕よりうまくできる人です。
彼女は僕の最大の理解者です。言わなくてもわかってくれることが多く、僕の知らない僕の良いところを、自然と指摘してくれました。
「私じゃあなたを満たせないんだ」
ぼくと友達になることを提案する少し前に、彼女はそう言いました。
僕は、かつて初めて僕を理解してくれた人にこだわっていました。
その人とは何十年もまともに口をきいていません。
その人は、僕にいろんなことをくれたし、いろんなものを奪っていきました。
とても感謝している人でもあり、許せないことをした人でもあります。
その人が僕に感謝しているのか、罪悪感を感じているのか、知る由もありません。その人が僕を覚えているのかどうかといえば、「つらい時に思い出しているだろう」という、漠然とした感想があるだけです。
ただ、「双子の姉のようにものの考え方が似ている」と思っていたその人は、連絡をしてくることはありません。
もしも僕の双子なら、きっと僕に謝罪の言葉を伝えると思います。
もしかしたら、「仕方がない。自分は悪くない」と思っているのかもしれません。
その人に僕は、期待していたんです。
今、一番大事なヒトと向き合っていなかった
2023年を振り返ったとき、そんな自分に気づきました。
もともと僕は他人の理解を求めない存在で、30年前その人に合うまで、人に理解されるという感覚を持ったことがありませんでした。
そこから30年間後、前の恋人とお付き合いしました。
彼女は、その人以上に僕を理解してくれました。陰日向となり僕に寄り添ってくれています。
それは、友達となった今も変わりません。
「がんは幸せな病ですよ。残された時間を意識して、大切に過ごすことができるから」
父が末期がんを宣告されていることを、付き合う頃に伝えました。その時の彼女の言葉です。
彼女は夫をがんで亡くしています。
その後、三人の子供をご両親の協力の下、立派に育てています。
まだ当分誰かと結婚するつもりはないものの、これからの人生を楽しく心豊かに過ごせるパートナーをと、僕を選んでくれました。
彼女との出会いは運命的でした。
誇り高く、どこか孤独な父の晩年に何をしたらいいのか。
その迷いをいつも晴らし、さりげなく元気づけてくれました。
仕事で迷っているときは、違った視点から気づきをくれました。
とても仕事ができる人だけど、良く自分のミスを報告しては、明るい気持ちにさせてくれます。
おいしいご飯の写真を送ってくれて、独り身の僕になんとなく家庭的な気持ちをおすそ分けしてくれます。
向き合うべき人は、いつも目の前にいる
「自分は誰にも愛されない人間だ。」
そう思って生きていた時もありました。
ですが、どんな人にも、世界のどこかに必要としてくれる人がいる。
それは間違いない。
僕はただ、過去を振り返り続けたせいで、目の前の幸せを逃し続けていたんだと思います。
「大人になった僕が、いつか隣に立っているかもしれませんよ~」
「泣きそうになること言わないで」
「なんか悪いこと言った?」
「うれしいんだよ・・・」
友達になってから、そんなやり取りをしました。
この世界の行く末において、彼女の隣に僕がいるかどうか、それはわかりません。
今の僕は、彼女の隣に立てない人だなぁ。そう思います。
自由な個人であることを選んだ僕は、最愛の人を縛らないことを選んだ僕は、今、そこから動けない彼女のそばにいられないでしょう。
でもね、毎日僕は貴女とメッセージしています。
ずっと逢っていないけど、いつも家族のように、貴女を思っています。
ポンコツな僕を、愛しく思うといってくれた貴女を、かけがえのない一人の個人として、心から愛しています。
僕が愛していることを、受け入れてくれた恋人は、貴女だけです。
2024年の貴女は何をしていますか?どこにいて、何を思っていますか?
2024年、僕は何をしているんだろう。どこにいて、何をしているんだろう。
あきれながらも微笑んで見守る母のような、似ても焼いても食えない姉のような貴女の隣に、2024年は誰が立っているんだろう。
その、なんというか…いまだにですよ…